妻が生活費を借りたら、夫にも返済義務が?

「私の知らぬ間に、妻がサラ金から借金をしていました。子どもの高校の入学金や授業料、私の入院費に使ったそうなのですが、連帯保証人になっていない私にも返済義務がありますか?」

借金の返済義務を負うのは、お金の借主(債務者)と保証人だけです。たとえ夫婦でも、保証人になっていなければお互いのした借金の返済義務を負いません。しかし、貸主(債権者)のなかには、保証人でもない配偶者(夫または妻)に返済を迫る者も珍しくないようです。

「妻が、夫の借金を返すのはあたりまえだ」などという貸主の勝手な理屈に、根負けして払ってしまったり、借金の返済義務を引き受けてしまう人もいますが、法律上、夫や妻は配偶者の借金を支払う義務は原則としてありません。

ただし、例外はあります。例外のひとつは、借金をした配偶者が死亡した場合です。他方の配偶者は相続人になりますから、相続放棄や限定承認の手続きをとらない場合に限りますが、マイナスの遺産である借金も丸ごと返済する義務を負ってしまいます。

もうひとつの例外は、借金の理由(借りたお金の使い道)が、生活費など、いわゆる「日常の家事」に関する場合です(これを日常家事債務と呼びます)。この場合には、配偶者は互いに連帯して支払い義務を負うことになっています。ただし、「日常の家事」にあたるかどうかは微妙ですから、よく事実を確かめ、交渉に入るべきです。